水星の逆行 — 惑星が逆に回る時期の意味
占星術に関心があれば、水星の逆行という言葉を一度は耳にしたことがあるでしょう。年に幾度かおとずれるこの時期には、意思疎通がこじれ、約束が食いちがいやすいと言われます。逆行が実際には何であり、占星術でどのような意味に読まれるのかを知れば、この時期を漠然と怖がるより、賢く過ごせるようになります。
逆行は錯覚から生まれる
惑星が逆に回るという逆行は、実際に惑星が向きを変えるのではなく、地球から見たときにそう見える見かけの現象です。地球とほかの惑星がたがいに異なる速さで太陽を回るために、ある時期にはその惑星が夜空で後ろへ退いていくように見えます。ちょうど並んで走り、前の車を追い抜くとき、後ろの車が退いて見えるのと同じです。占星術は、この見かけの逆行に象徴的な意味を与えて読みます。
水星の逆行が意味するもの
水星は占星術で、意思疎通・思考・移動・契約をつかさどる惑星です。ですから水星が逆行すると、この領域の気がなめらかに流れず、内へと引き返すと見ます。よく言われるように、言葉が食いちがったり、約束や日程が行きちがったり、電子機器や交通に小さな不調が起こりやすい時期と考えます。新しい契約や大きな決断を急ぐより、もう一度確かめて慎重にというしるしとして読みます。
ふり返りの時間
水星の逆行は、悪いことばかりが起こる時期ではなく、内へふり返るのに良い時でもあります。逆行を表す言葉が「ふたたび」を含むように、先延ばしにしたことをあらためて見直し、過ぎた関係をふり返り、やり残したことを結び直すのにふさわしい時です。新しく始めるより、点検し整えることに力を注げば、逆行の気をかえって利として使えます。しばらく速さをゆるめよという、天からの勧めというわけです。
水星のほかにも逆行する星々
逆行するのは水星だけではありません。金星や火星はもちろん、木星や土星のような外側の惑星も、それぞれの周期で逆行します。金星の逆行は愛と関係、価値を、火星の逆行は意欲と推進力をふり返らせると見ます。外側の惑星ほど逆行の期間が長く、その影響もひそやかに、そして長く続きます。ただし、日々のなかでもっとも頻繁に、はっきりと感じられるのが、たびたびめぐる水星の逆行です。
逆行を過ぎ越す知恵
水星の逆行をおそれて、何もしないでいる必要はありません。ただ、大切な契約書に署名したり、大きな決断を下したりするときにもう一度確かめ、意思疎通はもう少しだけ心をこめておこなえばよいのです。行きちがいが生じても、うろたえるより、いまは点検とゆとりが必要な時と思えば、心はいっそう軽くなります。逆行は人生を止めるものではなく、しばらく速さを整えよという、律動のひと節です。
水星の逆行は、惑星の見かけの錯覚に、意思疎通とふり返りの意味を添えた占星術の律動です。自分の星座の今日の流れや、心と体の周期が気になる方は、星座占いとバイオリズムでじかに確かめてみてください。